就職をして初めて書き上げた設計図

就職をして初めて書き上げた設計図

普通の一軒家であっても、それが私にとって大切でならないものだと思っているのは、私自身が設計して建てられた家だからです。私は今、建築士として働いているのですが、就職して初めて1人で書き上げた設計図によって建てられたこの家は、何よりも大切に感じているものです。私が建築士になろうと思ったのは、新築の一軒家に引越しをしたことがきっかけとなりました。小学生という小さなときのことだったのですが、注文住宅として購入した一軒家は、まだ幼かった私の意見も取り入れられて、子供部屋の扉に小さな窓をつけていただくことができました。この窓というのは、両親が外から私のことを見られるのはもちろんのこと、私自身、その窓から部屋の外を見られることが嬉しく、これを設計してくださった建築士さんに対して、幼いながらに感謝の気持ちを持っていました。そんな私は、いつしか自分も建築士になりたいと思うようになっていたのです。この夢は大きくなっても変わることはなく、大学で建築士の資格を取得するために、コツコツと勉強を積んでいきました。ここでの学びの中で、建築物の基本的な知識を身につけ、それを作り上げていくための技術も得ていくことができました。

そうして私は、建築士として建設会社への就職に成功することができました。就職をしてすぐの頃の私は、先輩についていくことに必死で、現場での体力仕事であったり、事務所内でも先輩の書き上げられた設計図を見て学んだりと、たとえ大学を卒業していても、毎日が勉強の繰り返しだったと思います。そしてあるとき、先輩から1人で設計図を描いてみろと、仕事を任せていただくチャンスがありました。このときに書いたのは、普通の一軒家の設計図なのですが、ここに住むことになる人の立場になって一生懸命に書き上げた設計図は、私の力作となりました。この初めて1人で書いた設計図は、今でも忘れられないものであり、1番に大切にしています。